【アーカイブ】屋久島の中身はこうなっていた!花崗岩と堆積岩の歴史
講師:安間了さん
徳島大学 社会産業理工学研究部教授
1965年生まれ 琉球大学理学部海洋学科修士課程修了 スウェーデンのウプサラ大学で屋久島花崗岩をテーマに学位取得 筑波大学講師を経て2018年より現職。学部生の1987年に卒業論文のフィールドとして選んだ屋久島に初めて来島。
屋久島の地形や地質の話をすると必ず出てくるのが花崗岩です。「屋久島はでっかい花崗岩だ」とか「屋久杉の年輪が細かい(成長が遅い)のは花崗岩の上に生えているからだ」とか、とか……。しかし、その屋久島の花崗岩はどんなふうに生まれ、どんな性質の石なのか、実は私たちはよく分かっていないのではないでしょうか。そこで、屋久島の花崗岩を調査している安間了先生に『屋久島の中身』がどうなっているかを解説していただいたのが今回です! なんとも知的好奇心を刺激される講座でした!
- 動画版
- テキスト版(準備中)
※動画のどこでどんな話をしているか簡単な概要をまとめています。詳細な内容はぜひ全編をご覧ください。
本日のプログラム:02:34
- 屋久島花崗岩の内部組織(結晶や薄片でみる組織の話)
- 褶曲した四万十層群の地層が花崗岩によって持ち上げられた話
- 4200万年前の大噴火の話
- 伊豆―小笠原孤とのコネクション
講座スタート:07:10
- 屋久島の生物の多様性を支えているのは高さ
- 屋久島の地層・岩石分布
- 屋久島と種子島の違い
- 屋久島の高いところを作る花崗岩は地殻の中を浮かんできた?
屋久島花崗岩とはどんな岩石か 10:50
- 正長石の大きな結晶(巨晶)方向で何が分かる?!
- 巨晶の向きでマグマの流れや強さが推定できる
- 模型を使ってなぜ巨晶の向きを調べるかを解説
- 花崗岩はどんなマグマ……冷えるときの温度と結晶の成長
- 石を削って薄片にして顕微鏡でみる
- 屋久島の花崗岩は100万年ぐらいかけて冷えた
- 屋久島の各所によってマグマの流れが違うことが分かってくる
屋久島花崗岩の内部流動が起きた? 29:05
- こんなふうにマグマが流れて今の地形を作った……?
- マグマはどこから冷え固まったか
- 山できれいな結晶が取れるのはなぜ?
- 海岸で見る褶曲した地層ができたわけ
- ※褶曲とは……地層中の層理面や面構造(片理・劈開(へきかい)など)が波曲しているもの。(日本大百科全書より引用)
- 褶曲の形成メカニズム
プレートの沈み込みに伴う浮力体の上昇経路 42:28
- プレートの摩擦と浮力体の動き
- 気泡の上昇経路
- 一般的な島弧火成作用のモデル
- 屋久島花崗岩の生成と貫入モデル
- 高い山ができた理由を推測
- 屋久島の本体は人魂型?
いつ山が高くなった? 屋久島花崗岩の年代 53:38
- 花崗岩の中のジルコンの性質を利用して屋久島を探る
安間先生から見た屋久島の魅力 1:00:03
- 地質屋にはたまらない場所
- 地学の教育の場として最適
文系頭にはなかなかにムズカシイ今回でしたが、何回か聞いているとなんとなく……分かってくる面白さがある回でした! 小原さんがよく話している「屋久島はねじれている」という話とも関連しているのだと思います。最後に先生がおっしゃった屋久島はさまざまな地質があり、地学の勉強をするには最適! という言葉も印象的です。地学ツアーもあり、でしょうか?!
順次公開予定です。しばらくお待ちください。