【アーカイブ】ヤクシカと屋久島 神秘の森に小さなシカを追いかけて
講師:揚妻直樹さん
北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター教授
奥州・仙台生まれ、2年間くらい上屋久町民
1989年より森とヤクシマザルの研究を、1998年よりヤクシカの研究を始める。主に西部地域を中心に、屋久島全域での調査も行なってきた。2013年からは屋久島南部の被害農地と加害鳥獣の調査も行っている。また、2008年までの約10年、上屋久町「屋久島オープン・フィールド博物館構想」に携わる。著書に「霊長類生態学」(杉山幸丸編著:京都大学学術出版会)、「世界遺産屋久島」(大澤雅彦・田川日出夫・山極寿一編著:朝倉書店)、「日本列島の野生生物と人」(池谷和信編:世界思想社)などがある(いずれも分担執筆)。
講師:揚妻芳美さん
Waku Dokiサイエンス工房 事務局
愛知県出身、北海道在住。子供の頃に見たテレビ番組の影響で、野生動物の研究者に憧れる。大学で動植物について調査研究する面白さを学ぶ。2000年、結婚を機に環境コンサル会社を退職し、夫の研究フィールドだった屋久島での調査を開始。以来、ヤクシカの採食行動や集団遺伝、サルとの関わりなど様々な角度からヤクシカを探求中。著作に『里のサルとつきあうには』(室山泰之著・京大学術出版)の挿絵、『世界遺産屋久島』(大澤雅彦・田川日出夫・山極寿一編著:朝倉書店)、絵本『つのつの』(岐阜県博物館)。
サルと並んで屋久島でよく出会う哺乳類といえばシカです。本州の他の場所で見るよりも小ぶりで可愛らしいヤクシカですが、彼らは屋久島の中でどんな生活を送っているのでしょう。
そもそも、なぜ本州のシカより小さいのでしょう。屋久島のシカのあれこれを、シカの後をついて調査をしてきた揚妻ご夫妻に教えていただいた今回、知らなかったことが満載の内容です。
- 動画版
- テキスト版(準備中)
※動画のどこでどんな話をしているか簡単な概要をまとめています。詳細な内容はぜひ全編をご覧ください。
本日のプログラム:07:19
- ヤクシカってどんなシカ?
- どうやって調べているの?
- 好きな食べ物は?
- だから離れられないシカとサルの悩ましい関係
ヤクシカってどんなシカ?:07:33
- 種類は?ニホンジカとの関係は?
- ニホンジカなのに日本以外にも??
- ニホンジカの亜種は日本に何種類もいるの?
- 地域によっては絶滅している!
- ヤクシカの特徴を知ろう!オスの角に注目!
- 大きさや足の長さも特徴的!
- ヤクシカはなぜ小さい?
- 島嶼化とは?!島だと小型で短足??
チャットからの質問:20:19
どうやって調べているの?:22:00
- 調査中に観光客から聞かれる質問は難しい!
- 調査方法をご紹介
- 屋久島西部は野生動物観察できる貴重な場所
- シカの後ろをストーカーして調査!
- ヤクシカの一生は意外に狭い範囲で終わる
- たまには遠足する?
- 角の成長・ホンシュウジカとの違い
- シカの家系図を作る!
- データの積み重ねでヤクシカの特徴が分かってきた
チャットからの質問:37:00
好きな食物は?:43:32
- ヤクシカは何を食べる?
- 落ちてきたものをよく食べる。なんと7割も
- ヤクシカは草食動物ではない!
- 落ちるものを好んで食べている
- ヤクシカは大きなミミズだった!!
- 脂肪やたんぱく質が好き!
- さらにはポリフェノールも好き?(ナゾ)
チャットからの質問:54:04
休憩・来週の予告:56:56
- 次回登壇予定・サンゴの研究者・出羽さんの一言
だから離れられないシカとサルの悩ましい関係:1:00:47
- ごちそうが空から降ってきたら?
- シカがたくさん食べている落下物の1割はサルが落としたもの
- サルが食べればシカが集まる
- サルの落とし物をうばいあうのはどんなエサ?
- ケンカの相手はだれ?
- 性別や年齢でどうやって食べるかの戦略が変わる
- シカもサルに恩返ししてる??
- シカとサルの死闘??
- 鳥獣戯画にも描かれたシカに乗るサル
チャットからの質問:1:25:12
小さくてかわいいヤクシカ、こんなふうに屋久島の中で生活しているんだ……という驚きと学びがいっぱいある回でした。シカとサルの関係にも驚きです。今度、屋久島でシカとサルにあったら、じっと観察してみたいですね。
揚妻直樹さん、揚妻芳美さん、貴重なお話をありがとうございました。
順次公開予定です。しばらくお待ちください。